日本
南宋の文人と出版文化 王十朋と陸游をめぐって
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南宋の文人と出版文化 王十朋と陸游をめぐって
- 出版社
- 九州大学出版会
- 出版年月日
- 2016.03
- 価格
- ¥3,960
- ページ数
- 193
- ISBN番号
- 9784798501758
- 説明
- 中国文化史を大きく二つに切り分けるとすれば、間違いなくその切り口は宋代(10-13世紀)に設定されるであろう。「東洋のルネッサンス」とも称された様々な変革がこの宋代に起こっているが、出版技術が発展・拡散し、版本が普及したこともその一つに数えられる。とりわけ北宋中期(11世紀)以降顕著になっていくこうした変革の中で、南宋(1127-1279)の文学作品については「編集→刊行→読者による入手及び反応」という、現在にも通じる流通の過程を観測することが可能である。この流通過程は、それまで首都を中心とした中央から各地域へと舞台を広げていき、それに伴って地方社会を活動拠点とした中間層文人(科挙周縁層)を編集・刊行の担い手に加えていったのである。
本書は、如上の中間層文人の存在に着目しながら、王十朋と陸游という二人の南宋文人の作品及び詩集の流通過程について、いかに編集・出版され、どのように読者層が反応したか(あるいはどのような反応が期待されたか)を検討しながら、南宋文学に出版業の隆盛と版本の普及という画期的な文化現象がもたらした変革について究明しようとするものである。
※出版年が古いので新本ですがヤケ・シミ・痛みがございます。