日本
説話文学研究の海図
日本
説話文学研究の海図
- 出版社
- 文学通信
- 出版年月日
- 2024.07
- 価格
- \3,520
- ページ数
- 384
- ISBN番号
- 9784867660560
- 説明
- 説話文学研究は、どのような経緯を経てどのような現状にあるのか、そして今後どのような未来に向かっていこうとしているのか。
六〇年の歴史の中で大きく方向性を変え、文学研究の中でも広く国際的・学際的方向に舵を取って進んできた、説話文学会。人文科学総体が危機を迎えているともいえる現在、その進路は果たして今後の指針となり得るのか。二〇二三年七月に開催された六〇周年記念大会を中心に、座談会やエッセイを加えて、それらを考える。
現在の説話文学研究は、「説話」という概念自体の拡大と共に、文学研究の学際化に伴って、美術史・宗教史等々との境界を越えつつある。その最前線の様相を荒木浩・伊藤聡・肥田路美の三氏により紹介。シンポジウムでは、中国の仏伝文学である『釈氏源流』をとりあげ、小峯和明・吉原浩人・山本聡美・河野貴美子の四氏に加え、コメンテーターとして張龍妹・李銘敬の二氏により国際的かつ学際的な研究課題に取り組む。ラウンドテーブルでは、本井牧子・牧野淳司・恋田知子・高橋悠介の四氏に、研究の現状や課題をお話いただいた。
座談会「説話研究の未来―一〇〇年後の研究はありうるか?」ではハルオ・シラネ、渡辺麻里子、陸晩霞、趙恩馤、小峯和明の各氏により語り合っていただき、ベテランから若手まで一四名によるエッセイも収録。
新たな資料や視点を拒むことなく、変化流動しつつも前進してきた説話文学会とその研究の、過去・現在・未来を照らす書。