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ラティモア 中国とわたし

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ラティモア 中国とわたし

著者
中野富士子編・訳
出版社
みすず書房
出版年月日
1992.09
価格
¥3,630
ページ数
306
ISBN番号
4622033369
説明
 モンゴル・中国辺境の研究で知られるオーエン・ラティモアが、かつて蒋介石の私的顧問を務めた日々。それは、日本の侵略と国共合作に激しく揺れる中国を、内側から見る稀有の体験であった。彼は12歳までを中国で、思春期をヨーロッパで送った。貿易商社に勤めて中国奥地へ赴き、そこでモンゴルとモンゴル人に生涯の関心をいだくようになり、学者への道を踏み出した彼に、ある日ホワイト・ハウスから電話がかかる。
 重慶では、まさに網の目の人間関係・権力関係がくりひろげられた。半分封建的で半分近代的な頭をもつ、しかしまぎれもない愛国者の蒋介石。その完全には信頼し合わない政治的同盟者、宋美齢夫人。?一族の宋子文と孔祥熙の競合。互いに秘密を漏らす複数の諜報機関。割拠する軍閥。歴史上最も偉大なナンバー・ツー周恩来。〈中国の新しい皇帝になれそうな人〉毛沢東。時の表舞台に立つ公人たちの素顔に、ラティモアはじかに接する機会があった。
 ラティモアの国共合作指支持は、戦後マッカーシー旋風の吹き荒れるアメリカで、彼を政治の内幕を知る重要人物にしてしまった。だが実のところ、彼の関心は、イデオロギーよりも事実のほうにいつもあったのだ。話上手で、ときに実際より面白く語りがちだったラティモアの回想録は、なによりも、時代の雰囲気をいきいきと伝える。
※出版年が古いので新本ですがヤケ・シミ・痛みがございます。