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南宋政治史論(汲古叢書)

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南宋政治史論(汲古叢書)

著者
小林晃
出版社
汲古書院
出版年月日
2025.02
価格
\14,300
ページ数
618
ISBN番号
9784762960871
説明
「専権宰相」を宋代史研究の文脈に位置付け、新たな宋代政治史像を構築する。
【序章 より】(抜粋)
 本書第一章から第四章では、高宗朝から寧宗朝前期までの政治史を検討する。高宗朝で成立した南宋三省制は、独員宰相の長期在任を可能にする側面を持ち、秦檜・史彌遠の長期政権の成立を準備した制度でもあった。しかし南宋三省制が金国の侵攻が迫る危機のなかで形成されたことを踏まえると、この制度の別の側面に気づかされる。……第五章から第七章までは、南宋政治史にかかわる重要な新史料が主題となる。……第八章から第一一章までは、寧宗朝後期から理宗朝にかけての政治史を俎上に載せる。この時代の特徴は、南宋が金国・モンゴルと相次いで開戦したことにあるといえる。第八章では、史彌遠政権が対金戦争を主導するなかで、いかなる変容を遂げたのかが分析される。……付章は、近年の中国で提示された拙論への批判の妥当性を吟味したものである。特に本書第二章から第四章までの内容に密接に関連する内容であり、本書の所論を再確認することにもつながると思われる。
 以上、全一一章の考察により、我々は高宗朝から理宗朝に至るまでの政治史を一貫した視点から見通すことが可能になるであろう。