日本
中国古代における軍事と儒教
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中国古代における軍事と儒教
- 出版社
- 汲古書院
- 出版年月日
- 2025.02
- 価格
- \8,800
- ページ数
- 292
- ISBN番号
- 9784762967573
- 説明
- 兵家の軍事思想を儒教との関わりの中で検討し、いかに具現化されたかを解明する。
本書は、中国における軍事思想を儒教との関係、および戦争への思想の現れ方という二つの視座より検討する。
具体的には、戦争否定の思想を代表する『墨子』の思想を『孟子』との比較の中で明らかにし、『孫子』の成立とその特徴を解明する。さらには『孫子』を継承する『呉子』と『孫臏兵法』の思想について儒家を軸として比較する。そして『荀子』と『淮南子』の軍事思想の共通性を探る。そのうえで、儒教を代表する『春秋左氏伝』の軍事思想と、『春秋左氏伝』の戦史集としての有用性を確認していく。
また、軍事思想の戦争への現れ方としては、『孫臏兵法』に言及される「八陣」が、後漢「儒教国家」にどのように取り入れられているのかを明らかにしたのち、後漢末に『孫子』を定立した曹操の軍事思想を追究する。そのうえで、曹操の戦いに『孫子』はどのように用いられているのかを検討していく。そして同時代に『春秋左氏伝』を中核に置く荊州学を修めた諸葛亮の『孫子』の用い方との共通性の有無を解明する。そして、諸葛亮が曹魏への北伐に際して、後漢に継承されていた「八陣」に、どのような工夫を加えたのかを探る。最後に、諸葛亮の「八陣」が継承されていく行方を知ることで、唐以降の軍事思想のあり方の一端を明らかにしていこう。