日本
和漢混淆文の生成と展開
日本
和漢混淆文の生成と展開
- 出版社
- 和泉書院
- 出版年月日
- 2025.02
- 価格
- \12,100
- ページ数
- 472
- ISBN番号
- 9784757611139
- 説明
- 独自の手法で和漢混淆文の生成過程に迫る。
本書は、和漢混淆文の生成過程を『万葉集』『続日本紀宣命』『源氏物語』『打聞集』『今昔物語集』『平家物語』『伊曽保物語』『雨月物語』『春雨物語』を対象に、語彙・文法・表記・文章の面から多角的に論じる。
本書では、従来和歌で論じられた翻読語の観点を散文に応用した独自の手法を用いる。翻読語は、漢語サ変動詞に対応する語群として、和漢混淆文の中核をなす要素であることが明らかになる。
「見れど飽かず(飽き足らず)」(万葉集)、「いづれの御時にか」(源氏物語)、「おしはかられてあはれなり」(平家物語)など古典を彩った名句が翻読語に関わることを指摘し、「いよいよ」「いできたる」「なきかなしむ」「おどろきさわぐ」など物語の和漢混淆文の中核となる翻読語があることを明らかにする。
また、文法では「べからず」の主観的意味、「う(得)」の可能表現、文章では「けり」「き」による枠構造などから和漢混淆文の特徴を論じる。