日本
人々の暮らしぶりから考える中国経済はどこまで独特か? 官と民のせめぎ合いで読み解く経済学
日本
人々の暮らしぶりから考える中国経済はどこまで独特か? 官と民のせめぎ合いで読み解く経済学
- 出版社
- 白桃書房
- 出版年月日
- 2025.04
- 価格
- \3,300
- ページ数
- 320
- ISBN番号
- 9784561961451
- 説明
- 普通の人々の、実感のこもった語りを起点にニュースだけでは分かりにくい中国経済を解説。一党支配の下、経済を管理したい官と私たちと同じように自由に経済活動したい民が強くせめぎ合う、独特な経済が理解できる。
多くの日本人は、ニュースで流れる日本人拘束、不動産バブル崩壊などセンセーショナルな報道から中国に悪感情を持ちがちだ。とりわけ米中対立は、強大になった中国経済によって引き起こされ、トランプ新政権の下、一層の激化が予想される。しかし我々は、普通に人生を生きている中国人の暮らしぶり、そして中国経済をどこまで知った上で判断できているのか?
本書は、現地の人々のリアルな暮らしぶりを起点に中国経済をわかりやすく解説する。
北京で仕事を退職して暮らす 80 代のおじいさんは、新中国建国後、今の発展した経済となるまでの荒波をどのように乗り越えてきたのか、開放路線に舵を切った頃に貧しい農村で生まれた男性はどこまで豊かになれたのか、まじめな共産党員はどのように業務に取り組んでいるのかなど、筆者は本書で、自ら知る中国市民、そして各種の報道などを元に、実際にいそうな人たちを造形し、彼らのこれまで、そして今の暮らしをインタビュー形式で語ってもらうことから各章を説き起こす。
中国経済は「社会主義市場経済」を標榜し、1970 年代末からの改革路線に伴い、一見すると我々の市場経済とあまり変わらない。しかし、共産党一党独裁の下、国有企業の存在感は依然大きく、人々の生活に大きく影響を与えており、経済をコントロールする官と自由に経済活動したい民とのせめぎ合いが激しいという特徴がある。本書はここに着目し、中国経済の発展メカニズム、格差、環境、人口問題などを取り上げ解説する。
西側諸国でも「市場の失敗」、またコロナ禍の際の外出制限のような公共の利益のため、官が民の活動を制限することがある。その対応に関心が高まっており、中国経済はその典型例だ。本書はその壮大な事例を活写するのとともに、人々の語りから中国経済のリアルを感じていただけるであろう。