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北朝鮮の内部文書集第2巻 ソ連軍政期-建国初期

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北朝鮮の内部文書集第2巻 ソ連軍政期-建国初期

著者
木村光彦編訳
出版社
知泉書館
出版年月日
2025.12
価格
\6,820
ページ数
316
ISBN番号
9784862854520
説明
 朝鮮戦争で北朝鮮から大量の内部文書を捕獲,米国国立公文書館に保存されている資料集の中から,当時の北朝鮮の実情を伝える代表的文書を選び,邦訳編集した。
 1巻に続き本巻でも四編に分け,V編 経済運営,Ⅵ編 沙里院紡織工場1947-48,Ⅶ編 沙里院紡織工場1949-50,Ⅷ編 賃金制度・労働,として紹介・解説する。
 ソ連共産党支配下でのソ連軍政期の実態と北朝鮮臨時人民委員会による国内の組織活動の計画経済化にともなう多様な現象を明らかにする資料群である。
 V編では計画経済化に伴い故障の頻発,資材不足,不良品,在庫管理の欠如や官僚主義の弊害,技術者不足,高い労働移動率や労働規律の欠如など問題が頻出した。
 Ⅵ編では個別工場の内部文書を利用する。通常のマクロデータとは違い現場の実態を知るために貴重な資料である。この工場はかつて日本の東洋製糸沙里院工場だったが,北朝鮮では近代工場の一つである。文書は工場と上級機関との間の指示書,報告書からなり,それを通してソ連占領軍が直接に関与していた可能性が示唆される。
 Ⅶ編の内部文書では大量の報告書が多くの機関や委員会に提出され,政府の直接関与が解明される。課題は原材料など物資の不足,設備故障,不良品生産,労力の不足など基盤環境や能力欠如など現場の機能障害であった。
 Ⅷ編では都給制(賃金制)やボーナス制など多くの賃金システムを試み,労働の動機づけや流動性など働く人に対する政策を講したが,試行錯誤と混迷は続いた。