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アラン・ロブ=グリエの小説Ⅱ

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アラン・ロブ=グリエの小説Ⅱ

著者
奥純
出版社
関西大学出版部
出版年月日
2020.11
価格
¥4,400
ページ数
332
ISBN番号
9784873547268
説明
抑圧と分断を超えた新しい生活のために、不連続な未来を生きる想像力とは何か。
アラン・ロブ=グリエは、第二次世界大戦直後、廃墟となったフランスに新風を巻き起こした文芸改革運動ヌーボー・ロマンのオーガナイザーであった。
 ロブ=グリエは、文学だけでなく、アラン・レネ監督の映画『去年マリエンバートで』の原作者としても有名で、自ら監督した多くの映画作品も残している。映画を観ればわかるように、小説についても、ロブ=グリエの作品は、始まりも結末もなく難解で、全体が幻想的な雰囲気に満ちている。それは、ロブ=グリエがリアリズムの作品を嫌ったからであり、虚構であるにも関わらず本当らしく語ることを拒んだ結果である。
 しかし、どんな映画でも小説でも、内容に関わらず本当らしく見せるのが普通であることを考えれば、これほど困難な試みはない。リアリズムを拒否してロブ=グリエはどのようにして作品を制作しようとしたのか、筆者は2000年に発表した『アラン・ロブ=グリエの小説』で、この試みについての技術的な裏付けを行ったが、本書はその続編にあたる。アラン・ロブ=グリエのデビュー作から晩年の作品に至るまでの作品構成の変遷とその意味を考察し、ロブ=グリエの作家としての全貌を明らかにすることを試みた世界でも類なき研究書である。