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日本

曹操高陵の発見とその意義-三国志 魂の世界-

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曹操高陵の発見とその意義-三国志 魂の世界-

著者
愛媛大学東アジア古代鉄文化研究センター編
出版社
汲古書院
出版年月日
2011.03
価格
¥3,300
ページ数
155
ISBN番号
9784762928901
説明
※出版年が古いので新本ですがヤケ・シミ・痛みがございます。
【本書】より
 本書は、二〇一〇年十一月二十七日・二十八日に、愛媛大学南加記念ホールにおいて開催されたシンポジウム『三国志 魏の世界――曹操高陵の発見とその意義――』(愛媛大学東アジア古代鉄文化センター主催)の講演録である。二〇〇九年十二月の報道以来、曹操高陵の発見は社会的に大きく注目されてきたが、一方で、西高穴二号墓の被葬者が曹操であることを頑として認めない一派もいる。確かに報道直後は情報も少なく、疑問の入る余地も多かった。しかし、墓葬や出土遺物の詳細が明らかになるにつれ、論理的に否定しうる説はほとんどみられなくなる。墓葬の立地・規模・形態、遺物の種類・数量など全ての資料を文献資料と結び付け、総合的・体系的に分析するならば、被葬者は曹操以外に考えられない。ところが、いわゆる「反曹派」は、数々の証拠を前に論理が破綻したためか、墓や出土遺物そのものを捏造したものと断じて、学術的・論理的な議論を一切拒否する有様である。残念なことは、日本においても、インターネット上の反曹派の言説を根拠に、曹操墓とすることに疑義を呈する声も少なくないことである。発掘報告書の刊行が待たれており、第一次資料を手にすることができない現在では、それもいたしかたない。膨大な出土遺物の整理は時間がかかる作業であり、現地では、日夜資料整理が鋭意進められている。しかし、曹操墓の真偽を知るためには、やはり現場の生の声が必要である。それが今回のシンポジウムを開催し、また、その記録を出版するに至った理由である。
 中国の考古学界では、西高穴二号墓が曹操墓か否かという議論はすでに過去のものであり、研究は次の段階に進んでいる。今回のシンポジウムおよび講演録の出版が、日本における曹操墓研究発展の一つの画期となるならば、これ以上の喜びはない。
 本書には、シンポジウムで示された写真・図面資料を収録するとともに、『考古』二〇一〇年第八期所収の 発掘簡報『河南安陽市西高穴曹操高陵』の日本語訳を付録として収録している。