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日本

〈大学〉再考 概念の受容と展開

〈大学〉再考 概念の受容と展開

日本

〈大学〉再考 概念の受容と展開

著者
別府昭郎編
出版社
知泉書館
出版年月日
2011.03
価格
¥7,150
ページ数
376
ISBN番号
9784862851055
説明
 大学や学部という考え方はどのように形成され,日本はその制度をいつ導入し定着させたのか。その問いを出発点に,イギリス,フランス,ドイツ,アメリカなどの大学の歴史を分析するとともに,わが国と同様ヨーロッパから大学制度を導入したオスマン帝国の歴史を比較することにより,今日の〈大学〉とは何かを改めて考察したはじめての本格的な実証研究である。
 大学はヨーロッパ・キリスト教世界を背景に12世紀から13世紀にかけてボローニャとパリで自然発生的に誕生した。その後,イングランドやスコットランド,アメリカに,そして大陸ではスペイン,ドイツなどに伝播・普及して,16,17世紀にはそれぞれの地域の特徴を備えた「大学」へと変貌していく。国際化と地域化が並行して進むなかで,19世紀には近代科学の発達や国民国家の形成と相俟って,近代市民社会を支える制度的基盤となった。
 各国の歴史的,文化的条件により大学の概念やシステム,意味も異なるものになったが,わが国では学部として工学や農学という実学を取り入れ,神学部を置かず,日本独自の講座制度を発達させた。そのような歴史的経緯をへて,今日,新たな国際化と大衆化に直面し,大学のあり方が根本から問われている。本書は多くの知見と示唆に富み,大学関係者必読の一書である。