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ルターと詩編 詩編第四編の解釈を中心に

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ルターと詩編 詩編第四編の解釈を中心に

著者
竹原創一
出版社
知泉書館
出版年月日
2011.06
価格
¥5,500
ページ数
352
ISBN番号
9784862851109
説明
 マルティン・ルター(1483-1546年)はヴィッテンベルク大学で前後2回にわたり詩編講義を行った。第1回詩編講義(1513-15年)では,伝統的な解釈を継承しながら独自の解釈と信仰の確立を探求した。第2回詩編講義(1519-21年)はパウロ書簡への取り組みやヘブライ語理解の進展を通して彼独自の詩編理解へ到達し,信仰の深化を実現した。著者は二つの詩編講義,とりわけ詩編第四編を集中的に読み解きながら,彼の思想的展開を辿り,第2回講義で到達した思想の全貌を明らかにする。
 ルターは詩編を「小聖書」と呼び,詩編一書に聖書の全体および核心が包含され要約されているとした。彼は1513年以来,旧約と新約,詩編とパウロ書簡についての聖書講義を行ってきた。第2回詩編講義はそれら聖書講義の到達点,総括的聖書注解であり,そこでは詩編の文法理解と神学思想とが一体のものとなった。それは一連の講義を通して探求していた「神の義」の理解に明瞭に示されるとともに,純粋に聖書釈義により導出された神学思想が,ルターの宗教改革運動において展開された実践的社会思想や政治思想の源泉または萌芽となった。
 第1回と第2回の両講義は「塔の体験」を挟んで神の義の理解をめぐり決定的に相違するが,前期において聖書釈義により見出されたものが,後期には具体的生活経験の中で実行されたと言える。
 本書はルターの聖書理解の展開が宗教改革をもたらす源泉的役割を果たしたことを解明した画期的業績である。